借地戦争

悪質借地人から土地を取り返すまで11年間の闘い

悪質借地人の卑劣な土地売買交渉①

土地売買交渉①

貸主が貸借契約の解消を希望したことから始まった土地売買交渉。
悪質借地人は長年使っているから土地を買取りたいとのこと。 
そして悪質借地人は農地の売買事例で宅地を売却要求してきました。

貸主の選択肢は2つでした。

1.  適正価格での買い取り。
2.  適正賃料での賃貸借契約の締結。

当初、貸主としては適正価格なら譲っても構わないと思っていました。
借地人がもし適正価格または相場ですら買い取ることができないなら「固定資産税以下の賃料を適正な賃料に変更して、書面による賃貸借契約を交わして欲しい。」と考えていました。
 
なぜなら貸主にとって現行の契約を続けるメリットは一切なかったからです。貸主にとってこの借地は長年負担でしかありませんでした。
なぜって?

  • 借地を開始するときに、権利金は受けていない

  • 毎年の賃料が固定資産税以下である(月額2500円以下)

  • 長期貸借の間に更新料などを受けていない

  • 度重なる増改築や大規模修繕の際に承諾料を受けていない

  • (※全て無断増改築や無断大規模修繕です。)

  • 上記固定資産税以下の賃料以外に一切の金品等を受けていない

  • 書面による契約書を交わしていない

  • 過去にも賃料増額請求したとき供託されたことがある

しかし悪質借地人、不動産のことを分かっているのか、いないのか。
まともに話がかみ合いません。
 
貸主が借地の状況・経緯・土地の使用状況や相場などを調べてから話合いを希望すると伝えているのに『測量は必要ない。境界確定も必要ない。隣地から何か言ってきたら、その時こっちで解決する。今は土地価格下がってるはず。600万円でいいか?600万円なら買えるけど。借地権割合付くんかな?』
など、状況を確認する前から一方的に価格を決定しようとします。
 
話の様子から当然土地が買えると思っているような話ぶり。
しかも以前から土地を買い取るために用意した価格であるとのこと。
『600万円なら用意しとんじゃけど。』
 
結局、貸主の説明を聞こうとせず、話は一方通行。
悪質借地人が娘と相談すると言って別れました。
その娘こそ元倉敷市消防局長の嫁です。
 
当時、貸主は元消防局長嫁とは面識はありませんでした。
名前も知りません。
というより、すでに世代交代して、当事者同士の面識すらない状態。
他の家族の名前も顔も知りません。
 
もちろん悪質借地人の親族に倉敷市の幹部職員「消防局長」がいるということも知りません。
更に、借地での違法行為について倉敷市に相談していた時期に消防局長を務めていたことなど知る由もありません。
この時点で貸主は借地人以外の人間が借地を使っていることや借地で数々の違法行為が繰り返されていることなども知らされていません。
 
ある日、元消防局長嫁から電話がありました。
名前も名乗らず。
悪夢の始まりです。
 
『なーなー、例の借地の話じゃけど。借地権あるんよな?自分ら借地の裏の土地を買ったんじゃけど。それが坪5万くらいなんじゃけど。坪5万で計算すりゃええんかな?それの6割で考えたええよな?市の無料相談に一緒に行ってくれんかな?』
 
元消防局長嫁の要求はこうです。
「借地に住んでいるから借地人が借地を買うときには自動的に借地権割合(割引)が付く。」と思っている。
借地人と元消防局長嫁は自分たちが住んでいる借地は安く買えることが当たり前と思っている様子。
元消防局長嫁にとって不動産売買でも宅地と農地の違い、接道の有り無しなど一切お構いなしです。
元消防局長嫁の基準は、自分たちの売買事例です。
 
元消防局長嫁の言う売買事例とは、元消防局長の子供らに安価に家を用意するため、借地の隣地を貸主とは別の所有者から購入したときの話。
ただこの土地は公道に面していない袋地です。
しかも農地で面積もたったの20坪。
(逆に、接道のない農地に坪5万円も支払ったことに驚きです。)
 
この隣地を購入したときに坪5万円で購入したから、借地は隣だから同じ坪単価でいいのではないかとのこと。
 
一方で借地は、公道に面した接道のある宅地です。
面積90坪以上。
借地と隣地とは全く状況が異なります。
しかし元消防局長嫁にとっては当然のごとく話を進めます。
電話一本で済ませるよう事ではないこと、対面での話合いを希望することを伝え電話は終了。
 
その後、やっと対面での話合いに応じることになり、借地人宅に来るよう言われ、貸主が借地人宅を訪問しました。
忘れもしない2013年4月、元消防局長嫁と初対面の日。 
以前の電話で自分たちでも不動産のことを調べるよう伝えていましたが、全く調べていませんでした。
堂々と接道のない農地の売買事例で宅地を売却するよう再度要求してきました。
しかも農地の売買事例に勝手な割引(借地権割合)を付けての価格。
元消防局長嫁からの指値です。
(坪5万円×90坪×6割=270万円)
 
元消防局長嫁には常識も理屈も通じません。
不動産の常識を調べようともせず、理解しようともしません。
貸主が何を説明しても逆切れして返ってくる言葉は・・・
『うちらは借地権がある。昔のことは知らん。揉めるなら裁判すりゃええ。』
 
初対面の相手から裁判という言葉。
貸主はただただ呆れました。
土地を借りている貸主に対していきなり『裁判すりゃええ!』って言える神経、不動産の慣行を無視して指値交渉してくる神経が理解できません。
主張する内容もひどいですが、とにかく失礼な態度。
 
元消防局長嫁の考える「借地に住んでいるから借地人がその借地を買うときには自動的に借地権割合(割引)が付く」とは、大前提に多額の権利金を払って、適正な賃料(当然固定資産税以上=必要経費)を払っているからという考え方のはずです。

元消防局長嫁は当然に借地を自分たちが買うなら相場よりも安く買えることが当然と思っています。
「割合」=割引だと思っている様子です。
「借地人」という立場から巷で聞く借地権割合という言葉を都合よく理解しただけで、借地権割合の本当の意味を全く理解していません。
 
貸主が「借地権割合」を付けて土地を譲るつもりがないことを伝えても、借地権割合をしつこく主張してきました。そして、元消防局長嫁、貸主側の売買の話に自分たちが思った金額で買えそうにないとわかると『(その売買は)法律に従ってるんですか?』と聞いてきました。
 
当事者同士の任意の売買交渉について「法律」とは何を指していたのか不明です。おそらく借地の売買では借地権割合を付けることが「法律」だと思っていのだと思います。
まともな話合いになるはずがありません。
当然、任意での売買交渉は決裂です。
 
「法律」という言葉を出し始めたのは元消防局長嫁ですが、この時点で借地人らの違法行為はまだ判明していません。
「裁判」という言葉を出せば怖気づいて、諦めて安く売ってくれると思った様子。かなり強気な態度。もちろん第一印象は最悪です。
何度も「裁判」という言葉をちらつかせ、貸主が借地人宅を退出する際、玄関で念押しするように『いいんでしょ?裁判しても。』と聞いてきました。
 
ここから11年におよぶ裁判に進むことになります。
卑怯な売買交渉と借地権や借地権割合の主張は弁護士を付けたあとも続きます。